楽器は、大人の趣味として、一生楽しめます。そこで「何か楽器を始めたい」ということで、その選択に迷われているのであれば、ウインドシンセサイザ(Wind Synthesizer)は、いかかでしょう?
ウインドシンセサイザは、リコーダーのように息を吹いて鳴らす電子楽器で、生楽器と比べると、認知度はとても低いのですが、次のようなおすすめの理由があります。
ウインドシンセサイザの特長
入門しやすさ
ウインドシンセサイザの中でも、特におすすめしたいのが、EWIやエアロフォンです。それは、世界で1番(個人の感想です)入門しやすいメロディ管楽器だからです。一般に、メロディを奏でる管楽器で人気が高いといえば、サックス、フルート、トランペットなどがあげられます。ただし、いずれも、初心者の方にとっては、演奏の難しいものばかりです。
はじめて手に入れたその日はもちろんのこと、数日、あるいは数週間、熱心に練習を重ねたとしても、ドレミファソラシドすら、きれいな音で鳴らせないおそれがあります。これは、一度でも、サックスやフルートを吹いた経験のある方は、おわかりでしょう。
ウインドシンセサイザの場合は、リコーダーの要領で、息を吹き込めば、ちゃんとした音が出ます。すぐにでも、ドレミが吹けます。運指のわかるリコーダー経験者でしたら、その日のうちに、好きな曲の演奏も可能です。
もちろん、サックスやフルートが悪いといっているわけではありません。それらの人気は、見た目はもちろんのこと、質感や音色そのものが好き、難しい、練習が必要だからこそ価値がある、挑戦したいという方が、たくさんいらっしゃるからでしょう。
ここでは、あくまでも、初心者の方が、すぐに演奏を楽しめます、ということで、ウインドシンセサイザを紹介しています。数ヶ月練習に取り組んで、まだ人前では披露できないレベル、といった例は少ないのでは、という話です。
騒音トラブルの心配がない
一般に、楽器を始めると、騒音問題は、避けて通れません。自分では小さな楽器音のつもりでも、他の人が、そうとは限らないからです。出音には、十分な注意が必要です。ただ、いつも近隣に配慮しながら演奏や練習をするというのでは、あまり楽しめるものではないでしょう。
ウインドシンセサイザならば、ヘッドホンが使えます(※1も参照)。サックスなどの生楽器と違って、防音設備がなくても、1日中、深夜の練習でも、まったく周りを気にすることなく、思いっきり吹けます。これは、楽器を楽しむには、大きなメリットです。
※1:ヘッドホン端子などの装備が必要です。装備のないウインドシンセサイザもありますから、カタログや取扱説明書などで、ご確認ください。
バンドで活躍できる
ウインドシンセサイザは、一人で演奏を楽しむだけではなく、短期の練習で、仲間とアンサンブルやバンド結成も、夢ではありません。それは、トランスポーズとよばれるキーを自由に設定できる機能(※2も参照)などを備えているおかげで、合奏に必要なキーやスケールといった音楽知識を、基礎から身につけなくても良いからです。
バンド活動にあこがれていて、すぐにでもやってみたいというのであれば、ウインドシンセサイザが、有力な近道になるのは、間違いありません。
そもそも、ウインドシンセサイザは、メロディ管楽器ですから、演奏には、カラオケを使うことが多くなります。そのカラオケを、生楽器に置き換えれば、バンドで演奏になります。
※2:トランスポーズ機能のないウインドシンセサイザもありますから、カタログや取扱説明書などで、ご確認ください。
パソコンにつなぐ
ウインドシンセサイザは、自前で音源を持っていますから、単体で演奏が楽しめますが、パソコンにもつなげます(※3も参照)。すると、DTM(デスクトップミュージック)の世界が、大きく広がります。はじめて聞いた方には、何やら難しそうに聞こえるかもしれないDTMですが、こちらも、入門はそれほどむずかしいものではありません。次の記事も、ご覧ください。
ウインドシンセサイザをパソコンにつなぐと、これまで当ブログで紹介している多くの新旧ソフトシンセサイザが、そのまま音源として利用できます。それらの収録している大量のプリセットが、ウインドシンセサイザの音色として使えるわけです。さらに、自分で好みの音色作成もできますから、使える音色数が飛躍的に増えます。
そして、DTMでしたら、ウインドシンセサイザの伴奏用カラオケも、好きなバンド譜のコピーからオリジナルまで、幅広く制作できます。なお、このカラオケ作りについては、楽器のあるなしに関わらず、音楽に興味のある方に、おすすめします。
※3:ウインドシンセサイザを、パソコンにつなぐには、USB – MIDI、USBコンピューター端子などの装備が必要です。装備のない機種もありますから、カタログや取扱説明書などで、ご確認ください。
ウインドシンセサイザの演奏例
実際に、DTMを活用したウインドシンセサイザの実演です。DTMでは、DAWとよばれる音楽制作ソフトが欠かせません。当ブログでは、DAWとして無料のCakewalk by BandLabを使用しています。
まず、Cakewalk by BandLabで、「夕焼け小焼け」のカラオケを作ります。次の記事で紹介しています。
カラオケが準備できたら、無料音源プラグインを使って、サックス、フルート、トランペットの3つの管楽器とエレキギターの音色で、メロディを吹きます。使用ウインドシンセサイザは、Akai EWI5000です。
お金をかけずに 楽器を始めたい
ここで紹介しているEWIやエアロフォンの価格は、数万円からと決して安くはありません。何か楽器を!とは思うものの、できればあまりお金をかけずに始めたいと考えているのであれば、本体の収録する音色数や使える機能は少なくなりますが、次の動画で紹介している格安 ウインドシンセサイザをおすすめします。